フマンタイ湖の標高と高山病
この1日でいちばんきついのは、距離ではなく薄い空気です。フマンタイ湖までの道は数字の上では短いのですが、たどり着く先は、一歩ごとに思った以上に息が切れる高さです。このガイドでは、各地点の標高とソローチェ(高山病)の危険サインを確認し、それを和らげる方法を紹介します。足を止めて引き返すべきタイミングも、はっきりお伝えします。
1日で3つの高さ
この旅は段階的に標高を上げていきます。宿泊するクスコは標高約3,400 m。ツアーが始まる前から、石畳の坂を上るだけで息が切れます。ワゴン車が乗客を降ろすSoraypampaは約3,900 m。そこから道は湖畔の約4,200 mまで、おおよそ300~400 mを登っていきます。Chullosはそれより少し低いChallacanchaから歩き始めるので、そのグループは少し多めに登ることになります。
湖の上には、ネバド・フマンタイと、標高約6,270 mに達するサルカンタイがそびえています。日帰りツアーでその山頂に近づく人はいません。湖畔の気圧は海抜0 mのおよそ60パーセントしかなく、家の近所なら散歩気分で上れる坂でも、体力のある人が息を切らします。急なつづら折りがどこから始まるかは、区間ごとに見る山道で紹介しています。
ソローチェはどんな感じか
クスコ周辺では、高山病はソローチェと呼ばれます。よくある症状は、頭痛、吐き気、運動量に見合わないほどの息切れ、眠りの浅さです。高地に着いて数時間のうちに現れることが多く、たいていの旅行者は軽く済み、2日ほどで治まります。フマンタイへ行く日は、前の晩に寝たベッドより約800 m高い場所まで上がるので、クスコで落ち着いていた軽い頭痛が、上のほうのつづら折りでぶり返すこともあります。
体が対応しきれていないことを示すサインもあります。休んでも強まり続ける頭痛、繰り返す嘔吐、ふらつきや混乱、座っていても続く息切れ。こうした症状が出たら、すぐに下山して助けを求めてください。
ワゴン車の酸素と、引き返すこと
Chullos Travel PeruとInka Altitudeはどちらも、ツアーに含まれるものとして緊急用の酸素ボンベと救急セットを挙げており、Kantu Peru Toursも同じ2つを携行しています。酸素は下山するまでの時間を稼ぐためのものです。問題を解決して登り続けられるようにしてくれるわけではありません。悪化していく高山病への対処法は高度を下げることで、少し下りるだけで楽になることもよくあります。
具合が悪いと感じたら、緊急事態になる前に早めにガイドに伝えてください。途中で引き返すのは賢明な判断で、ガイドはそういう場面を何度も見てきています。湖は美しいですが、標高4,200 mでつらい午後を過ごしてまで見る価値のある景色はありません。
まずはクスコで2~3日
募集ページには「高度順応を済ませて参加すること」と書かれていて、いちばん簡単な方法は時間をかけることです。4:00のお迎えの前に、クスコか、標高の低い聖なる谷で2~3日過ごす計画を立てましょう。海抜0 mのリマから飛行機で着いて、翌朝すぐ湖へ向かうのは典型的な失敗です。最初の数日はゆるやかな散歩と早寝で過ごし、体に無理をさせる前に慣れる時間をあげてください。
フマンタイは、もっと大きな計画への足がかりにもなります。レインボーマウンテンの最高地点は約5,000 mなので、多くの旅行者は先に湖へ行き、休養日を1日はさんでから高いほうのハイキングに臨みます。2つの日帰りを比べたのがフマンタイ湖かレインボーマウンテンかです。Kantu Peru Toursは、頂上は低いのに、フマンタイのハイキングをレインボーマウンテンよりきついとまで書いています。
当日の過ごし方
体力よりもペースが大事です。歩幅を小さくして、歩みに合わせて呼吸しましょう。息が上がってからではなく、その前に立ち止まること。登りのあいだずっと水を少しずつ飲み、Mollepataの朝食は軽めにして、前の晩のお酒は控えてください。4:00の目覚ましでたいていの人は寝不足になり、それも体にはよくないので、コーヒーをもう1杯飲むより早く寝るほうが効果があります。1日の流れはクスコからの道のりで時間ごとにまとめています。
グループのガイドは毎日のように高山病と向き合っています。Kantuのガイドは列のいちばん後ろを歩き、いちばん遅い人に付き添います。Inka Altitudeのツアーでは、グループを急かさず一人ひとりのペースで登らせてくれるDavidやCesarといったガイドの名前が、口コミでよく挙がります。
ゆっくり歩く人を待ってくれるグループ日帰り
Inka Altitudeは12~13.5時間のツアーで緊急用の酸素と救急セットを携行していて、ガイドは全員を自分のペースで登らせてくれると口コミで評判です。料金は約34ドルから。24時間前まで無料でキャンセルできます。
コカ茶と薬
コカ茶はペルーのこの地域ならどこにでもあり、クスコのホテルの多くはロビーにポットを置いています。地元の人は長い道のりを歩くときに葉をかむこともあります。軽い興奮作用があり、寒い朝には体を温めてくれる飲み物ですが、ソローチェを防ぐというしっかりした根拠は乏しいのが実情です。コカは薬物検査で検出されることがあり、葉を持ち帰ることは多くの国で禁止されています。
高山病用の処方薬はあります。それが自分に合うかどうか、どう飲めばいいかは、ツアーガイドやクスコの薬局の窓口ではなく、出発前に主治医に相談してください。このページでは用量は扱いません。
このページは、ツアーを比較している私たちからの一般的な旅のアドバイスで、医療上の助言ではありません。妊娠中の方や心臓・肺の持病がある方は、予約の前に医師に相談してください。高地対策で飲むつもりの薬についても同じです。

募集ページが参加を断っている人
参加条件はツアー会社がそれぞれ決めているので、予約前に読んでおく価値があります。ChullosとInka Altitudeは妊娠中の方を対象外としていて、BioAndeanも2日間のツアーについて同じことを書いています。ChullosとInka Altitudeは呼吸器に問題のある方を、KantuとMachuPicchu Journeyは心臓疾患のある方を対象外にしています。ChullosとKantuは年齢の上限を70歳としていて、Inka Altitudeは体力に自信のない方には向かないと書いています。
体力についての書き方は、料金によっても違います。Viagens Machu Picchuの1日ツアー(約53ドルから)はゆったりしたペースで歩くのに、募集ページでは「高い体力」を求めていて、ほぼ同じルートなのに主要なグループ日帰りの約2倍の料金です。MachuPicchu Journeyのツアー(約99ドルから)のようなプライベートの日帰りなら、ペースを自分たちで決められます。選択肢の比較はプライベート・少人数のフマンタイ湖ツアーをどうぞ。
馬が助けるのは脚、肺ではない
登山口の近くでは地元の家族が現金で馬を貸していて、道のりの大半を乗せていってくれます。最後の急な区間だけは歩きです。体力をかなり温存できるので、高度で苦しんでいるなら助かります。とはいえ標高が変わるわけではないので、頂上では4,200 mの空気をしっかり感じますし、着いたときに馬が空いているという保証もありません。料金と安全については馬に乗ってフマンタイ湖へで紹介しています。
最初から馬に乗ると決めているなら、GetYourGuideにあるCusco Grand Adventureの乗馬ツアー(約86ドルから)には、Balcompataからの上りの馬が含まれています。注意点は参加条件で、10歳未満と体重91 kgを超える方は参加できず、下りは1時間ほど歩きます。
標高3,900 mで眠る
BioAndeanのガラスドーム泊2日間(約350ドルから)では、クスコより約500 m高いSoraypampaで眠ります。高度の影響がいちばん強く出るのは睡眠中なので、その一夜はどの日帰りツアーよりも厳しい試練になります。しかも2日目は標高約4,600 mのサルカンタイ峠を越えます。返金不可のツアーなので、日帰りツアーやクスコでの数日間で自分が高度にどう反応するかを確かめてから予約してください。キャンプと峠についてはフマンタイ湖とサルカンタイ・トレックで紹介しています。高地での一夜に必要な防寒着は服装と持ち物を、いちばん冷え込む月についてはベストシーズンをご覧ください。